未経験から始めるWeb担当者入門|ホームページ更新でキャリアアップ
カテゴリー:キャリアアップ・転職
「上司からホームページの更新を頼まれて困っている」
「求人票に『簡単なHP更新業務あり』と書いてあるけれど、私にできるだろうか…」
実は今、多くの企業が社員にホームページの更新を任せており、事務職や営業職の方が担当するケースが増えています。「ホームページの更新」と聞くと、「難しそう」「専門知識がないと無理」と身構えてしまうかもしれません。
でも安心してください。多くのホームページは、プログラミングの知識がなくても更新できる仕様になっています。そして、多くの企業で求められているこのスキルは、あなたの転職やキャリアアップを後押しする第一歩となり得るのです。
この記事では、なぜ今、ホームページ更新スキルが求められているのか、そしてどうすれば実務で使えるレベルになれるのかを解説します。
目次
中小企業で「ホームページ更新」ができる人材が求められる理由
多くの企業が「ホームページは持っていて当たり前」の時代になりました。しかし、その裏側では「ホームページ制作会社に頼んで作ったはいいが、更新できる人がいない」という深刻な問題が発生しています。
ホームページを更新できる人材が社内で求められる主な理由は以下の3点です。
- 人材不足や予算の制約があり、専任のホームページ担当を雇う余裕が無い
- 外注に頼らず社内でホームページを更新・管理できることでコスト面のメリットがある
- 企業のWeb活用の重要性が増し、情報発信のスピードと正確さが求められている
- 初心者でも取り組みやすいホームページ更新ツールや方法が整っており、スキル習得のハードルが下がっている
中小企業の現状や外注コスト削減の価値、スピード感の重要性について具体的に解説していきます。
中小企業のリアル:専任のWeb担当者を置けない事情
大企業であれば、Web専門の部署や担当者がいます。しかし、日本企業の約99%を占める中小企業では、専任のWeb担当者を置く余裕が無いのが現実です。これは主に人員不足や予算の制約が大きな要因です。
そのため、ホームページの更新業務は事務職などの既存スタッフが兼任するケースが多くなっています。しかし「上司から突然、ホームページの管理を任されて困っている」という声が聞かれるのも事実です。
外注費用の削減:社内で完結できる人材の価値
ホームページ制作会社や管理代行業者に更新を依頼すると、テキスト(文章)の修正だけでも数千円、画像の差し替えを含めると数万円の費用がかかることが一般的です。
もし自社でのホームページ更新が可能になれば、Webサイトの管理に「都度かかる外注費用」を減らせます。経営者にとって、コスト削減につながるスキルを持つ社員は、手放したくない貴重な人材となるでしょう。
即座に更新、簡単に情報発信できることが企業の利益になる
ビジネスではスピードが命です。特にスマホで何でも検索できる現代において、会社の情報を簡単に自分で発信したいと考える方は多いでしょう。「新商品の情報を今日出したい」「急な休業のお知らせを載せたい」と思った時、ホームページ制作業者へ依頼すれば反映までに数日かかることがありますが、社内で簡単に依頼できて即座にホームページを更新できれば、チャンスを逃さず顧客に情報を届けられます。
更新のたびに制作会社や管理代行業者に依頼する手間や待ち時間がなくなり、業務効率化に役立つでしょう。こうしたスピード感は顧客の信頼獲得や満足度向上にも貢献します。
また、Googleなどの検索エンジンは「情報の鮮度」を評価するため、頻繁な更新はSEO(検索順位アップ)にも効果的であり、会社の売上アップにもつながります。
初心者も使いやすいツールでホームページの社内管理が可能に
最近では、初心者も簡単に使えるホームページ管理のツールがたくさん出てきています。WordPressやWixなどが有名ですが、これらのツールは使い方が感覚的で分かりやすいのが大きな魅力です。後述する「HTML」や「CSS」の知識までは無くても、WordPressなどホームページ更新ツールの基本操作が分かれば、会社情報の編集や簡単なメンテナンスは自分で行えます。
転職・実務で評価される「ホームページ更新」に必要な3つのスキル

では、具体的にどのようなスキルがあれば「ホームページを更新できます」と言えるのでしょうか?ホームページの更新作業に プログラミングのような高度な技術は、実はそれほど必要ありません。
ホームページの簡単な更新業務をするなら、まずおさえておきたいスキルは以下の3つです。
- CMS(WordPressなど)の基本操作
- PhotoshopやCanvaを使った画像編集・加工スキル
- 基礎的なHTML/CSSの知識
それぞれ具体的に解説します。
CMS(WordPressなど)の基本操作
CMS(Contents Management System)とは、ホームページの仕組みを管理するシステムのことです。特に「WordPress(ワードプレス)」や「Wix(ウィックス)」が有名で、世界のWebサイトの4割以上がWordPressで作られています。
出典元:WordPress.com
https://wordpress.com/ja/blog/2025/09/22/wordpress-market-share/
WordPressは、パソコンの画面上でドラッグ&ドロップする簡単な操作で、写真や文章を配置できます。よく行われる操作の一つに「記事やページの作成・編集」がありますが、WordやExcelが使える方にとっては決して難しくありません。シェアの高いWordPressは書籍や講座も充実しており、初心者の方でも短時間で使い方を覚えられるでしょう。
魅力的なホームページを作るための画像編集・加工スキル
ホームページの更新において、テキストの修正だけでなく、画像の編集・加工スキルは非常に重要です。魅力的なビジュアルは訪問者の目を引き、企業の印象を左右します。特に事務職での転職や実務で評価されるためには、簡単な画像編集ができることが差別化につながります。
- スマホで撮った写真を明るく補正する
- 適切なサイズにトリミング(切り抜き)する
- 簡単なバナー(画像リンク)を作る
PhotoshopやCanvaなどを使ってこれらの作業ができれば、ホームページ更新業務の質が格段に上がり、周囲から「センスがある」と評価されるでしょう。企業のホームページの価値向上に役立つスキルは、キャリアアップや転職活動においても大きなメリットとなります。
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ホームページのトラブル解決にはHTML/CSSの基礎知識
ホームページの更新作業において、WordPressの操作だけで済む場合もありますが、時には思い通りに更新できなかったり、見た目が崩れたりするトラブルに遭遇することがあります。そんなときに役立つのが、基礎的なHTMLとCSSの知識です。
HTMLはホームページの骨組みを作る言語で、文章の構造や見出し、段落、リンクなどの要素を記述します。一方、CSSはその見た目やレイアウトを整えるためのスタイルシートです。これらの基礎を理解していると、トラブルの原因を特定しやすくなり、ホームページの簡単な修正も自分で行えるようになります。
以下は、ホームページの更新時によくあるトラブルと、それに対する基礎的な対応方法の例です。
| 問題 | 原因 | 解決策 |
|---|---|---|
| 文字化けや表示崩れ | HTMLタグの閉じ忘れや誤った記述 | タグの確認、正しい閉じタグの追加 |
| 画像が表示されない | 画像のパス(ファイルの場所)が間違っている | 正しいパスに修正 |
| レイアウトの崩れ | CSSの指定ミスや競合 | スタイルの見直し、不要なCSSの削除 |
| リンク切れ | リンク先のURLが間違っているか、ページが存在しない | URLの確認と修正 |
これらはすべて、初心者でも基礎知識があれば簡単に確認・修正できる内容です。特によくあるのは「スマホで見た際のレイアウトの崩れ」ですが、HTMLやCSSのコードを一から書けなくても「ここを修正すれば元に戻る」と判断できる基礎知識があれば、パニックにならずに対処できます。
ホームページ更新の主な作業はこの3種類
「ホームページ更新」と聞くと複雑に思えますが、実際に社内で依頼される更新作業で特に多いものは以下の3つです。
- テキスト(文章)を更新する
- 画像を差し替える
- ブログ・お知らせを投稿する
例えば、「会社の概要を更新したい」「商品画像を新しいものに変えたい」「年末年始の休業をお知らせしたい」といった依頼があります。CMSを使った更新手順をパターン別にご紹介します。
パターン①:テキスト更新
例:「会社情報」ページの住所を変更したい
例:商品説明を修正したい
◆ 手順
- 管理画面にログイン
- 編集したいページを開く
- テキストをクリック→変更
- 「保存」または「更新」をクリック
- 実際のHPを確認(反映に1~2分かかることも)
ポイント:
・誤字脱字が無いか、読み返して確認しましょう
・重要な変更前は、スクリーンショットで「修正前」を保存しましょう
パターン②:画像の差替え
例:トップページのバナー画像を新しくしたい
例:商品の写真を更新したい
◆ 手順
- 新しい画像をパソコンのフォルダに保存(JPGやPNG形式)
- 管理画面で古い画像をクリック
- 「画像変更」→「ファイルを選択」
- 新しい画像を選んで「保存」
- 元のページで「保存」または「更新」をクリック
ポイント:
・指定の画像のサイズ(横×縦ピクセル)を確認しましょう
・スマホでもきれいに見えるかチェックしましょう
パターン③:ブログ・お知らせの投稿
例:「スタッフブログ」に記事を追加したい
例:「お知らせ」に新着情報を投稿したい
◆ 手順
- 管理画面で「新規投稿」をクリック
- タイトルを入力
- 本文を入力(WordやGoogleドキュメントで下書きがおすすめ)
- 必要に応じて画像を挿入
- 「公開」ボタンをクリック
ポイント:
・タイトルは30文字程度を目安にしましょう
・こまめに改行を入れ、句読点を適切に使いましょう
「なんとなく」は危険?独学のリスクと体系的に学ぶメリット
ホームページの簡単な更新ぐらいであれば「ネットで検索すれば自分でもできるのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。確かに情報は溢れていますが、ビジネスで運用するWebサイトを「見よう見まね」で触るのはリスクが伴います。
更新したら画面が真っ白に…独学で起こりがちなトラブルとリスク
ホームページの更新を独学で進める際には、初心者が直面しやすいさまざまなトラブルがあります。Webサイトは非常に繊細で、コードを1文字消してしまっただけで「画面が真っ白になる」「編集した内容が反映されない」といった問題が起こり得ます。
独学では情報が断片的であったり、誤った知識に基づく作業をしてしまうリスクもあります。また、原因が分からず復旧に時間がかかったり、制作会社に追加料金を支払って復旧してもらうことになりかねません。
こうしたリスクを減らすためには、体系的に学ぶことや、実務で使えるスキルを効率的に習得できる環境を選ぶことが重要です。
企業の信頼を守るセキュリティ管理と運用のルール
ホームページの更新には、システムのアップデートやバックアップも含まれます。初心者が独学で更新作業を行う場合、セキュリティ面での不注意が企業の大きなリスクにつながる場合があります。
ホームページ更新時に必ず注意すべきセキュリティと運用の基本ルールは以下の通りです。
- パスワード管理の徹底:推測されにくいパスワードを設定し、使い回しを避ける
- CMSやプラグインの定期的な更新:常に最新バージョンを保ち、セキュリティホールを防ぐ
- バックアップの実施:更新作業前には必ずサイト全体のバックアップを取る
- アクセス権限の適切な設定:必要最低限の権限のみを付与し、情報漏えいリスクを減らす
- 更新内容のチェックと承認フロー:誤った情報発信を防ぐため、公開前に確認を行う
これらのセキュリティ対策を怠ると、ウイルスに感染したり、サイトが乗っ取られたりする危険性があります。会社の顔であるホームページを守るためのセキュリティの基礎や正しい運用のルールは、ネットの断片的な情報だけでは身につきにくい部分です。
パソコン教室で学ぶ「実務で使える」効率的な運用フロー
ホームページの更新スキルを独学で身につけるのは可能ですが、実務で役立つ効率的な運用フローを習得するには、パソコン教室や専門講座で体系的に学ぶことが非常に効果的です。
こうした場では、単にWordPressやCMSの基本操作を学ぶだけでなく、実際の業務で遭遇しやすいトラブル対応や、更新作業の効率化につながる具体的な方法論を学べます。
- 万が一壊れた時のバックアップの取り方
- 本番公開前にテスト環境で確認する方法
- プロが使う時短テクニック
これらを学ぶことで、実務でトラブルが起きても冷静に対処できる「現場力」が身につきます。
ホームページ更新を効率的かつ安全に行うためには、単に操作方法を覚えるだけでなく、更新の流れを理解し、作業を標準化・自動化することが重要です。パソコン教室での学びを活かすことで、企業のWeb管理者として信頼されるスキルを習得できるでしょう。
ホームページ更新スキルを武器に!リスキリングで広がるキャリアパス

現代のビジネスシーンにおいて、ホームページの更新スキルは単なる作業能力を超え、市場価値を高めるきっかけを与えてくれます。特に事務職の方がこのスキルを身につけることで、従来の業務範囲を超えた活躍が可能になり、転職や給与アップのチャンスが広がります。
「事務職+Web担当」で市場価値を高める
事務職として働く方がホームページの更新スキルを身につけると、単に業務の幅が広がるだけでなく、自身の市場価値を高められます。一般的な事務職の求人倍率は高いですが、「ホームページ更新ができる事務職」となれば、他者との差別化を図れるでしょう。「事務処理能力」×「Webスキル」の掛け合わせは、これからの時代に生き残るための強力な武器(ハイブリッド人材)になり得ます。
ホームページ更新業務からスタートして「Webマーケター」を目指す
ホームページの更新作業に慣れてくると、「どのページがよく見られているか?(アクセス解析)」に興味が湧いてくるはずです。そこからWebマーケティングの知識を深めれば、企業の売上を左右するマーケターとしての道も開けます。
Webマーケターとは、企業のWebサイトやSNS、広告などを活用して、商品やサービスの認知度向上や販売促進を図る専門職です。ホームページ制作や更新作業だけでなく、ユーザーの行動分析やSEO対策、コンテンツ企画など多岐にわたる業務を担います。
ホームページ更新の実務経験を活かしてWebマーケターを目指す際に、必要となるスキルを以下にまとめます。
- データ分析スキル:Google Analyticsなどを使って訪問者の動向を把握する。
- SEOの基礎知識:検索エンジン最適化の基本を理解し、キーワード選定を行う。
- コンテンツ企画力:ターゲットに響く記事や情報発信を企画・立案する。
ホームページの更新業務で得た現場感覚は、マーケティング施策の実行や効果検証に大いに役立ちます。
未経験からWeb業界へ転職するための第一歩として
「Webデザイナーになりたいけれど、未経験では難しい」と悩んでいる方は、まず「更新・運用担当」として業界に入るのも1つの方法です。実務の中でWebサイトの仕組みを理解し、徐々にデザインやコーディングのスキルを磨いていくことで、無理なくキャリアチェンジが可能です。
先述したCMS(WordPressなど)の基本操作や基礎的なHTML・CSSの知識は、未経験者でも比較的短期間で習得可能です。
ホームページ更新スキルは、Web業界の入口として非常に有効な武器です。まずは基本をしっかり身につけ、実務での経験を積みながら自分の強みを作っていきましょう。こうした積み重ねが、未経験からでもWeb業界での転職成功を後押しします。
まとめ:ホームページ更新は「雑用」ではなく「キャリアの武器」になる
ホームページの更新スキルは、単なる「雑用」ではなく、あなたのキャリアを大きく広げる「武器」となります。特に中小企業では、専任のWeb担当者がいないことが多く、更新を迅速に行える人材が重宝されます。
また、外部への依頼を減らし、社内で完結できることで費用削減にもつながります。このようなスキルを持つことで、あなたは企業にとって価値のある存在となり、転職やキャリアアップの可能性が広がります。
このスキルを身につけるためには、基礎的なHTML/CSSの知識やCMSの操作、そして画像編集スキルを習得することが重要です。独学で学ぶことも可能ですが、効率的な運用フローやセキュリティ対策を学ぶためには、パソコン教室やオンライン講座を利用するのも一つの手です。
今からホームページ更新のスキルを磨き、あなたのキャリアを次のステージへ進めてみましょう。

この記事を書いた人:パソコン市民講座編集部
リクルート、出版社、テレビ通販、ECなど複数業界で「伝える」「売る」「育てる」の現場を横断してきた実践派マーケター。現在は教育系企業でビジネスDX・SNSマーケ・EC講座などを設計し、受講からキャリア支援まで一気通貫で支援する構造設計を担う。 コンテンツ制作から広告運用、LP・CRM設計、SNS戦略、MA活用、商品開発、社外提携まで、ひとつの講座を“仕組みごと”作るプロフェッショナル。

















