DX人材 資格・育成計画

DX人材の資格はどう選ぶ?これから作成する育成計画と現状の課題を解説!

DX人材の資格とは、ビジネスを変革するデジタルスキルを証明するものです。これから作成する育成計画に役立つおすすめ資格や、現状の課題を解決する選び方を解説します。自社のDX化を進めたい方は必見です。

DX人材の資格はどう選ぶ?これから作成する育成計画と現状の課題を解説!

この記事の要約

  • 資格は社内のデジタルスキルを可視化し業務とITをつなぐ指標になる
  • 育成計画では自社のビジネス課題や担当職種から必要な資格を絞り込む
  • 基礎知識の習得にはITパスポート試験やDX検定、G検定が役立つ
  • データ活用や開発の専門人材には基本情報技術者試験やAWS認定が適している
  • 実務での成果を出すには資格取得後の実践環境や社内制度の整備が重要である
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DX人材の育成において資格取得が求められる現状

DX人材の育成手段として、資格取得はスキルの可視化と体系的な学習に役立ちます。企業が資格取得を推進する背景を整理します。

社内のデジタルスキルを客観的に把握する指標になる

体系的な知識を身につけ業務とITの橋渡しができる

人材不足の中で外部採用よりも内部育成が急務になっている

観点 理由
スキルの可視化 デジタルスキルの定着度を客観的に評価する基準になるため
体系的な学習 属人的な知識にとどまらず網羅的に技術を理解できるため
人材確保 外部採用が難しいため既存社員を育成する必要があるため

社内のデジタルスキルを客観的に把握する指標になる

資格は、従業員が保有するデジタルスキルを 客観的に証明 する基準として機能します。DX(デジタルトランスフォーメーション:データとデジタル技術でビジネスモデルを変革すること)の領域は幅広く、個人の知識レベルを測るのが困難です。たとえば、データ分析のスキルがあると言っても、簡単な表計算ができるレベルから、予測モデルを構築できるレベルまで差があります。資格の有無を確認すれば、社内にどのような人材が何人いるのかを人事評価や異動の判断材料に活用できます。

体系的な知識を身につけ業務とITの橋渡しができる

資格取得に向けた学習は、デジタル技術を体系的に学ぶ機会になります。現場の業務だけをしていると、特定のITツールに関する断片的な知識しか身につきません。資格を通じて 網羅的な知識 を得ることで、現場の課題をIT技術で解決する橋渡し役を担える人材が育ちます。IT部門と現場部門が円滑にコミュニケーションを取るためにも、共通言語となる基礎知識が必要です。

人材不足の中で外部採用よりも内部育成が急務になっている

独立行政法人情報処理推進機構の「DX白書2023」によると、日本企業の約8割がDX推進人材の不足を感じています。市場全体でITエンジニアやデータサイエンティストが不足しており、外部から優秀な人材を採用するのは容易ではありません。そのため、自社の事業内容や企業文化をすでに理解している既存社員に対し、資格取得を支援して デジタル人材へと育成 する手法が注目されています。中長期的な企業の競争力を保つうえで、内部育成の仕組みづくりの重要性が高まっています。

参考:プレス発表 日米企業におけるDXの最新動向を解説する「DX白書2023」を公開|アーカイブ|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

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これから育成計画を作成するための資格の選び方は?

育成計画を作成するための資格の選び方は?

育成計画を作成する際は、対象者の役割と社内の課題をすり合わせる必要があります。自社に合う資格を選ぶための判断基準を整理します。

選定基準 判断のポイント
ビジネス課題 自社が解決したい課題に必要な技術領域を見極める
役割と職種 企画・開発・分析などの担当業務に合わせて絞り込む
ITリテラシー 対象者の知識レベルに応じて無理のない難易度を設定する

自社のビジネス課題を解決できる技術領域を見極める

資格を選ぶ際は、まず自社が直面している課題と、それを解決するための技術領域を特定します。生産工程の効率化を目指すならIoT(モノのインターネット:センサーなどをインターネットにつなぐ技術)の知識が必要ですし、顧客データの活用が課題なら統計やAI(人工知能:人間の知的ふるまいをソフトウェアで人工的に再現したもの)の知識が求められます。課題と関連の薄い資格を取得しても、実務での成果には結びつきにくい傾向があります。自社のビジネス目標から 逆算 して、習得すべき技術分野を絞り込みます。

企画やデータ分析など担当する役割と職種で絞り込む

DX推進のプロセスにおいて、従業員が担う役割によって必要な資格は変わります。たとえば、新規事業を企画する担当者にはビジネスと技術の両方を理解する資格が適しています。一方で、実際にシステムを構築する開発担当者には、プログラミングやデータベースの専門資格が必要です。現場の業務改善を主導する リーダー なのか、専門的なデータ分析を行う担当者なのか、職種ごとの役割を明確にして資格を割り当てます。

対象者の現在のITリテラシーに合わせて難易度を設定する

育成計画では、対象者の現在の知識レベルに合った難易度の資格を選ぶ必要があります。ITの知識がまったくない従業員にいきなり高度な国家資格を課しても、学習に挫折するリスクが高まります。最初は基礎的なリテラシーを証明する初心者向けの資格から始め、合格後に専門的な資格へと 段階的にステップアップ させる設計が効果的です。無理のない目標設定が、継続的な学習意欲を引き出します。

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DX推進の基礎知識を身につけるおすすめの資格

社内のDX推進を底上げするうえでは、全社的なリテラシーの向上が重要になります。基礎知識の習得に適した資格を整理します。

資格名 習得できる知識の要点
ITパスポート試験 IT全般の基礎知識や経営戦略、セキュリティの基本
DX検定 デジタル技術の最新トレンドとビジネスでの活用事例
G検定 AIの基礎知識とディープラーニングを事業に活かすリテラシー

ITパスポート試験

ITパスポート試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する 国家試験 です。情報処理技術者試験の一試験区分で、ITの基礎知識だけでなく、経営戦略やマーケティング、財務、法務など、社会人に必要な総合的な知識が問われます。IT業界の人だけでなく、すべてのビジネスパーソンが対象となる入門的な試験です。新入社員の研修や、非IT部門の社員がデジタル領域の前提知識を身につけるための第一歩として活用されています。

DX検定

DXイノベーション検定(旧・DX検定)は、日本イノベーション融合学会が主催する民間資格です。AIやクラウド、IoTといった先端IT技術トレンドに加えて、それらの技術を用いた ビジネスモデルの事例 (ビジネストレンド)が幅広く出題されます。技術的な深い理解よりも、最新技術の動向をビジネス視点で広く浅く知ることに適しています。営業や企画の担当者が、最新のデジタル用語を理解し、顧客への提案や社内での企画立案に活かす目的で取得するケースが一般的です。

参考:【第17回DXイノベーション検定】ITコーディネータ専用申込受付は5月1日から始まります。|IFSJ-日本イノベーション融合学会

G検定

G検定は、日本ディープラーニング協会が主催するAI向けの民間資格です。AIやディープラーニング(深層学習:人間の脳の神経回路を模した学習手法)の仕組みを理解し、事業に活用するためのリテラシーを証明します。 プログラミングの知識は不要 であり、AIを使ってどのような課題を解決できるかを判断する力が問われます。AIの導入を検討しているプロジェクトの推進者や、データを活用した新規事業の担当者に向いています。

参考:G検定、2026年の年間開催スケジュールを発表 ~オンライン試験6回に加え、2026年も会場試験3回を継続開催決定~|一般社団法人日本ディープラーニング協会【公式】

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専門的な開発やデータ活用を担うスペシャリスト向け資格

高度なシステム構築やデータ分析を担う人材には、専門領域に特化した知識が求められます。スペシャリストの育成に役立つ資格を整理します。

資格名 対象者と特徴
基本情報技術者試験 エンジニアの登竜門となるIT技術の基本資格
応用情報技術者試験 高度なシステム設計や戦略立案を担う中核人材向け
データサイエンティスト検定 データの分析や処理の実務を担う人材向け
AWS認定 クラウドインフラの設計・構築を担うエンジニア向け
E資格 AIを実装する高度なプログラミング能力を証明する資格

基本情報技術者試験

基本情報技術者試験は、ITエンジニアを対象とした国家試験です。アルゴリズムやプログラミング、ネットワーク、データベースなど、システム開発に必要な技術的な基礎知識を網羅しています。ITパスポートよりも 難易度が高く (試験区分体系上はレベル2に位置づけ)、実際のシステム設計や開発に携わる人材の登竜門とされています。自社で内製開発を行う企業において、技術部門の若手社員に取得を推奨するケースが多く見られます。

参考:基本情報技術者試験|試験情報|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

応用情報技術者試験

応用情報技術者試験は、基本情報技術者試験の上位に位置する国家試験です。技術的な知識に加えて、プロジェクトの管理や、ITを活用した戦略の立案など、幅広い知識と応用力が求められます。独力でシステムの企画・設計・開発から安定運用までを担える、 高度IT人材 としての方向性を確立した中核的なエンジニアが対象です。社内のIT基盤を統括するリーダーや、ベンダー(システムの開発や提供を行う外部企業)との技術的な折衝を担当する人材に適しています。

参考:応用情報技術者試験|試験情報|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

データサイエンティスト検定

データサイエンティスト検定は、データサイエンティスト協会が主催する民間資格です。データの収集や加工、分析に関する手法と、それをビジネスの課題解決につなげる力が問われます。 統計学の基礎 やSQL(データベースを操作するための言語)の知識が含まれます。社内に蓄積された顧客データや販売データを分析し、業務改善やマーケティング施策の根拠を提示する専門人材の育成に役立ちます。

参考:DS検定® データサイエンティスト検定™ リテラシーレベル|一般社団法人データサイエンティスト協会

AWS認定

AWS認定は、Amazonが提供するクラウドサービスであるAWSの専門知識を証明する民間資格です。オンプレミス(自社内にサーバー機器を設置して運用する形態)からクラウドへの移行が進む中、 クラウドインフラ を適切に設計・運用するスキルが求められています。基礎レベルから専門分野に特化したレベルまで複数の試験が存在します。自社のシステム基盤をクラウド環境で構築・運用するインフラエンジニア向けの資格です。

参考:AWS認定 – AWSクラウドスキルの検証 – AWS認定の取得

E資格

E資格は、日本ディープラーニング協会が主催する、AIエンジニア向けの高度な民間資格です。G検定がビジネス活用のリテラシーを問うのに対し、E資格はディープラーニングの理論を理解し、適切な手法を選択して 実装する能力 を評価します。受験には、JDLA認定プログラムを試験日の過去2年以内に修了していることが必要です。自社でAIモデルを開発し、製品やサービスにAI技術を組み込む専門的なエンジニアを育成する目的で利用されます。

参考:E資格とは|一般社団法人日本ディープラーニング協会【公式】

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経営視点でDXを牽引するリーダー向け資格

DXを進めるうえでは、経営戦略とIT戦略を統合して推進できるリーダーの存在が重要になります。組織を牽引する人材に適した資格を整理します。

資格名 習得できるスキルの要点
ITコーディネータ 経営者の視点でIT投資の戦略を立案し推進するスキル
プロジェクトマネージャ試験 大規模なシステム開発を計画から完了まで統括するスキル

ITコーディネータ

ITコーディネータは、経済産業省推進資格として、特定非営利活動法人ITコーディネータ協会が認定する民間資格です。経営者の立場に立ち、企業の経営戦略に沿ったIT投資の計画を立案し、その実行を支援する能力を証明します。最新の技術知識よりも、ビジネスプロセスを改革し、ITを活用して企業の収益を向上させる コンサルティングの視点 が重視されます。DX推進部門の責任者や、経営企画部門で全社的な変革を主導するリーダーに適した資格です。

参考:ITコーディネータ資格取得サイト|ITコーディネータをめざす方へ

プロジェクトマネージャ試験

プロジェクトマネージャ試験は、情報処理技術者試験の高度試験の一区分として実施される国家試験です。システム開発のプロジェクトにおいて、予算や品質、スケジュールの管理を行い、チームを成功に導く プロジェクトマネジメント の担い手のための試験です。複数の部門を巻き込み、複雑な要件を調整しながら進めるDXプロジェクトでは、高度なマネジメント能力が求められます。大規模なシステム刷新や組織横断的なプロジェクトを統括する人材に推奨されます。

参考:プロジェクトマネージャ試験|試験情報|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

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資格取得を実務の成果につなげるために気をつけることは?

資格取得を実務の成果につなげるために気をつけることは?

資格を取得するだけでは、自社のビジネス変革は実現しません。学習内容を実務に活かすための運用上の注意点を整理します。

資格取得だけで終わる運用

  • 目的が合格に偏る
  • 実務で試す機会がない
  • 費用・学習時間を個人に委ねる

成果につながる運用

  • 業務改善の成果で評価する
  • 小規模な実務から任せる
  • 費用と学習時間を制度で支援する
運用課題 対策の要点
目的の形骸化 取得後の業務上の役割と評価基準をあらかじめ明確にする
実践機会の不足 習得したスキルを試せる小規模なプロジェクトを任せる
継続学習の負担 受験費用の補助や業務時間内の学習枠などの制度を設ける

資格を取ること自体が目的化しないよう評価基準を設ける

資格取得を社内で推奨すると、試験に合格すること自体が目的となってしまうケースがあります。知識を得ても、実際の業務課題を解決できなければDX人材とはいえません。資格取得後の人事評価においては、単なる合格事実だけでなく、資格で得た知識を活かして 業務プロセスをどう改善したか を評価する基準を設ける必要があります。学んだ内容を実務のアウトプットに結びつける仕組みが重要です。

習得したスキルをすぐに試せる実践的な環境を用意する

学習した知識は、実務で使わなければすぐに失われてしまいます。資格に合格した社員には、学んだスキルを試すための実践的な環境を提供する必要があります。たとえば、データ分析の資格を取った社員に、部署内の売上データを分析して課題を抽出する 小規模なタスク を任せるといった方法です。最初は失敗しても問題のないスモールスタートの環境を用意し、徐々に大きなプロジェクトへ参加させます。

社内で受験費用の補助や学習時間を支援する制度を整える

DX関連の専門資格は受験料が高額なものもあり、個人の負担だけでは取得が進まない傾向があります。日々の業務に追われて学習時間を確保できない社員も多いでしょう。企業としてDX人材の育成を進めるうえでは、受験費用や教材費の補助、業務時間内での学習時間の確保といった 制度設計 が有効です。厚生労働省の人材開発支援助成金などを活用し、企業側のコスト負担を軽減しながら支援体制を整えます。

まとめ

DX人材の育成において、資格は個人のスキルレベルを客観的に評価し、体系的な知識を補完するための有効な指標です。自社のビジネス課題を特定したうえで、対象となる社員の職種や現在のITリテラシーに合った難易度の資格を計画的に選定する必要があります。

一方で、日々の業務に追われる中で、どの資格から取得させるべきか、どうやって学習時間を確保させるかといった育成計画の立案に悩む担当者も多いでしょう。自社内だけで専門的なIT研修を企画し、継続的に運用するには多大な労力とノウハウが求められます。

パソコン市民講座では、企業向けのITスキル研修サービスを提供しています。従業員のITリテラシー向上から専門スキルの習得まで、各社のニーズに合わせて豊富な講座からカリキュラムをご提案します。社内のDX化を円滑に進めるため、外部の専門的な育成カリキュラムの活用をご検討ください。

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